3.柚香の彼氏

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「本気ですよ?」 夏奈は俺の目を真っすぐに見つめてきた。 本気……というのはさっきの言葉に対してだろうか? 夏奈はさらに言葉を続ける。 「ツバキ先輩のいいところ、私はたくさん知ってます」 「……逆に夏奈は俺の悪い所知らないだろ?」 俺がそう言うと夏奈は数秒考えた後頷いた。 「……確かに知らないです」 「良いところだけじゃない、悪い所も分かりあっていかないと。 友情は勿論、恋愛だってそういうものだよ」 「じゃあ先輩の悪い所もたくさん教えて下さい」 「悪い所は教えたくないけどな」 「先輩のケチ!」 ケチって……俺は苦笑した。 普通悪い所なんて見せるものじゃないだろ。 それでも……。 自分でも何でか分からないけど……。 夏奈とこうやって話していると凄く楽しかった。 同時に、夏奈のこともっと知りたいとも思えてきた。 俺も酒を飲み過ぎたのかな……。 「じゃあ気を付けてな」 「はい、ありがとうございました!」 俺は家の前で夏奈と別れた。 帰り道、誰もいない右側が少し寂しかった。
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