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はぁ……。
湯船につかると同時に大きく息を吐き出す。
終わっちまったんだなぁ……全部。
ぽつりぽつりと、柚香との思い出があふれてくる。
初めて会った時はそんなに意識してなかった。
ただ、可愛い人だなぁとだけ思っていた。
だけど酒の席で、一緒になった時、凄い話しやすかった。
また、話したいな。純粋にそう思った時だった。
『佐久間君と話してると凄く楽しい、ねえ、また話そう?』
あ、同じこと考えてた。
それだけのことなのに凄く嬉しかった。
それから2人で遊ぶことが増えていった。
告白したのは俺の方からだった。
柚香は頬を染めながら頷いてくれた。
色んなところに遊びに行った。
勿論サークルの活動も疎(おろそ)かにはしてなかった。
友達ともたくさん遊んだ。
遊び過ぎたりすると柚香に怒られたっけ。
『友希君と私、どっちが大事なの!?』
そう言われた時は流石に困ったなぁ。
2人で次はどこに行こうかと話してる時も楽しかったなぁ。
風邪引いた時、看病にも来てくれた。
翌日、柚香に風邪がうつって凄く申し訳なかったなぁ。
動物園に行った時、無邪気に楽しんでた柚香。
『ペンギン可愛い!! ツバキもそう思うでしょ?』
柚香の方が可愛い何て口が裂けても言えなかった。
あぁ……こう振り返ると……。
俺の毎日、柚香で出来ていたんだなぁ。
でも……もう……。
しばらく風呂場に俺の嗚咽は響いた。
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