16人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は部屋に入るとすぐにベットに倒れこんだ。
そして携帯をポケットから取り出す。
すると新着メール2件と表示されていた。
1件目……それは友希からだった。
『お前の話、結局全然聞けてないんだけど!
だから今週の土曜日先輩達も誘って飲もうぜ!』
俺は思わず苦笑した。
確かに俺は柚香のことを舞子さんにばっかり話してる気がする。
友達である友希にこそ是非とも聞いてもらいたい話なのに。
ありがとう、その日は1日空けておくよ。
そう返信して俺は次の未読メールを読んだ。
それは夏奈からだった。
『やっぱり先輩達いないと寂しいです!
だから明日は来て下さい!
大宮先輩も柚香先輩とのこと心配してましたよ』
そっか……幸助の一件もあって、結局先輩達にも話してなかったな。
というか大宮先輩まで心配してくれているのか。
ありがたい反面申し訳ない気持ちにもなった。
『ツバキは1人じゃない』
舞子さんの言う通り、俺にはこんなにも多くの仲間がいる。
それが何よりもありがたい。
だけど……それに頼り切っていてはダメだ。
あくまで決めるのは俺自身。
俺はあの日から倒れたままのフォトフレームを立て直した。
2人とも無邪気に笑っている。
この時の俺らは、今の俺らを想像できただろうか。
『写真撮ろうよ、写真!』
どこに行っても俺らは写真を撮っていた。
『今日の私は今日しかいないんだよ!』
俺はしまいこんだアルバムをめくった。
1枚1枚じっくりと見ていく。
水族館、動物園、遊園地。
幸せそうにピースサインをしている柚香。
そういえば……。
久しく柚香のこんな顔見てないな……。
最初のコメントを投稿しよう!