4.揺れる気持ち

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俺は部屋に入るとすぐにベットに倒れこんだ。 そして携帯をポケットから取り出す。 すると新着メール2件と表示されていた。 1件目……それは友希からだった。 『お前の話、結局全然聞けてないんだけど! だから今週の土曜日先輩達も誘って飲もうぜ!』 俺は思わず苦笑した。 確かに俺は柚香のことを舞子さんにばっかり話してる気がする。 友達である友希にこそ是非とも聞いてもらいたい話なのに。 ありがとう、その日は1日空けておくよ。 そう返信して俺は次の未読メールを読んだ。 それは夏奈からだった。 『やっぱり先輩達いないと寂しいです! だから明日は来て下さい! 大宮先輩も柚香先輩とのこと心配してましたよ』 そっか……幸助の一件もあって、結局先輩達にも話してなかったな。 というか大宮先輩まで心配してくれているのか。 ありがたい反面申し訳ない気持ちにもなった。 『ツバキは1人じゃない』 舞子さんの言う通り、俺にはこんなにも多くの仲間がいる。 それが何よりもありがたい。 だけど……それに頼り切っていてはダメだ。 あくまで決めるのは俺自身。 俺はあの日から倒れたままのフォトフレームを立て直した。 2人とも無邪気に笑っている。 この時の俺らは、今の俺らを想像できただろうか。 『写真撮ろうよ、写真!』 どこに行っても俺らは写真を撮っていた。 『今日の私は今日しかいないんだよ!』 俺はしまいこんだアルバムをめくった。 1枚1枚じっくりと見ていく。 水族館、動物園、遊園地。 幸せそうにピースサインをしている柚香。 そういえば……。 久しく柚香のこんな顔見てないな……。
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