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風呂から出た俺はそのまま部屋に上がった。
途中ですれ違った母さんにご飯はいらないと伝えた。
母さんは分かったとだけ言って何も聞いてこなかった。
本当にありがたい。
部屋に入り、パソコンをチェックするとメールが届いていた。
先程メールを送った柊 舞子からだった。
『あぁ、私携帯電話なくしてたんですね笑
拾ってくれてありがとうございます。仕事で使うので困る所でした。
今から取りに行っても大丈夫でしょうか?』
仕事……ということは社会人だろうか。というか、今からって……。
俺は一瞬行くのをためらった。
でも仕事で使うだろうしなぁ……。俺は悩んだがこう返信した。
『構いませんよ。どこでお渡ししましょう?』
1分も経たない内に返信が来た。
『差し支えがないようでしたたらあなたの最寄り駅まで向かいますよ?
自分は車で向かいますので』
最寄駅……。
まぁ、言った所で大した問題にはならないだろう。
むしろ駅まで来てくれた方がこちらとしても助かる。
『小崎駅ですが大丈夫でしょうか』
『小崎なら30分で着きます。
お手数掛けて申し訳ありません。
白い車に乗ってます』
30分か……近いな。
俺は分かりましたとだけ返信して出かける準備をした。
下に降りて母さんに出かけることを伝えないとな。
俺がリビングに行くと、家族の目が一斉に俺に集中した。
きっと別れたことについて話してたんだろう。
「ちょっと出かけてくる」
「そう……気を付けてね」
母さんは何か言いたそうだったが、見送ってくれた。
俺は靴をはきながら考える。
柊舞子……さんかぁ。
どんな人なんだろう。
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