5.嘘

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* もう合宿の時期か……。 美代先輩の言葉に皆騒いでる。 私、参加できるのかな。 幸助が許してくれればいいんだけどな……。 「……梓、わ、私はそうは思ってないよ」 「いけるって! ツバキ先輩もぜったいまんざらじゃないって!」 私は2人の会話をちらっと耳にする。 夏奈ちゃんは顔を真っ赤にしている。 ……ツバキのこと好きなのかな。 それに、ぬいぐるみを抱えて今日も来てたし。 前なら私だけだったのに……。 ツバキからぬいぐるみを貰えたのは……。 何か、複雑な気持ち。 「もう、ちょっとトイレ行ってくる!」 夏奈ちゃんは逃げるように席を立ち、外に出た。 「ゆず先輩は最近彼氏とどうなんですか?」 梓ちゃんが私に声をかけてくる。 正直、うまくいってない。 大人っぽい幸助に惹かれたはずなのに、 今はその大人っぽいところに私は少し困っている。 私が答えに窮してると梓ちゃんは苦笑した。 「ゆず先輩、可愛いのに苦労するんですね。 今度の合宿でたくさんお話しましょう!」 「それが行けるか分からないんだよね」 「え!? 何でですか?」 私は訳を話した。 幸助が私が行くのを余り良く思っていないこと。 最近連絡が来ないこと。 会ったとしても少しの時間しか会えないこと。 聞き終えた後、梓ちゃんはため息をついた。 「ゆず先輩、それって別れた方がいいんじゃないですか?」 それでも私は、たまにみせる幸助の優しさが好き。 確かに寂しいけど、我慢できる。 あのツバキを振ったんだもん。 我慢しないと……。 でも何だろう。 ツバキは他の人と付き合って欲しくない。 こう思っちゃう私は子供なのかな。 ううん、子供でいいんだよね。 私は席を立った。
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