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入学式が始まるまで、あとわずか30分。
あと10分で入学式前のHRが始まるということもあり、クラスのほとんどの生徒が席についていた。
男子のほうは席が2つ空いていたが、女子の空いている席は1つ。
どうやら、私が最後の一人らしい。
私に対する熱い眼差しや、話し声はまだやまない。
まあ、こんなに可愛い子と同じ空間にいるんだもの。当然の反応よね。
席は出席番号で決められていて、私「相川」は男子の列の一番後ろの席。
クラス40名中、女子は7人。
電気電子工学科、機械工学科、物資科学工学科――――。
ここは、小難しい名前の学科ばかりが並ぶ、全国で見ても偏差値がトップクラスの理系高校。
よほど理数系が得意じゃなければ、好きじゃなければ入学なんてできない。
その為か、女子生徒の人数がものすごく少ない。
クラスに女子がたった7人という現実にも頷ける。
一番後ろの席から、6人の女の子たちを見つめる。
私より可愛い子なんて、もちろんいない。
この学校に入る為に、相当な受験勉強をしたからだろう、あまり身なりに力を入れてなさそうな雰囲気だ。
このクラスなら、この学校なら―――――
私は間違いなく学園のアイドルになれる。
私はそう確信した。
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