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りん「“何か売れそうなもん”…とか、言ってたのに?」
哀「う、売られちゃいそうなくらい大切な物は、きちんと見張らないとでしょう?」
りん「“親父にバレないくらいの小物で、高い値の付くのがいい”…とか?」
どうやらりんは、哀の愚行の一部始終を、見ていたようだ。
哀「…そ、そんな宝があれば、俺が守ろうかと…。」
哀は言い訳さながらに、何とか言い返した。
りん「値打ちなんて、質屋に持って行かなきゃ判らないでしょ?」
哀「う…。」
りんの鋭い突っ込みに、哀が言葉を失ったその時だった。
(ピカッ…)
雷鳴と共に、蔵の一部が怪しく光を放った。
りん「え?」
哀「あら…雨だぁ…。」
哀は、りんの背後の景色を見て、りんは哀の背後の光を見て驚いた。
りん「今…そこ…。」
声を震わせながら、りんは哀の背後を指差した。
哀「へ?」
哀が振り返ると、哀の目の前は、急に真っ暗闇になった。
無の世界が、一面に広がり、哀は戸惑った。
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