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軍姫『哀の末裔…我は軍姫。』
真っ暗闇に、柔らかい女性の声が響き、哀は見えないなりに、辺りを見回した。
哀「…軍…姫…さん?」
うっすらと一点。
明かりが見える。
軍姫『そなたの願いを叶えたくば、我を求め、我に御力を集めよ…。』
軍姫と名乗る声の主が、ポゥッと姿を見せた。
煌めき、光り輝く、雅なその姿は、神秘的であり、この世の者ではないと、一目で判断出来る。
哀「…え?…あの…。」
軍姫『そなたの血が全てへと導くであろう。そなたは、我に必ず辿り着くであろう。』
哀「…ちょっと…待って!あ、いや、あの…言ってる意味が…全く解らない…。」
軍姫『そなたに、そなた達に、我が軍姫の加護のあらん事を…。そして、そなた達は、いかなる時にも、我から放たれた御力に守護される事を…。』
哀「…え?」
瞬間、哀の目の前に、元の蔵の風景が広がった。
りん「…哀さん?」
振り返ったまま、黙り込んだ哀を、りんは心配そうに覗き込んだ。
哀「何?…今の?」
哀は、キョロキョロと辺りを見回し、不思議そうな顔をする、りんに尋ねた。
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