3.

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『伊藤亮。伊藤亮。職員室安部まで。』 スピーカーから流れる俺の名前、せっかく良い気で外を眺めていたのに一気に気分が削がれる。 「さっきのことじゃねぇの。」 陸がもっと気分が削がれることを言う。 さらに気分が悪くなる。 「はいはい、行ってきます。」 ゆっくり苛立ちながらも職員室に向かう。 「せ~んぱい。」 「うわっ!」 後ろから腕を掴まれ、らしくもなくビビる俺。 「先輩ビックリし過ぎです。」 声を掛けてきたのは、玲奈でクスクスと笑いながら、腕にずっとくっついてる。 「つか、離れてくれない?」 「佐奈にだったら、ずっとくっついて貰うんでしょう?」 玲奈はニコニコ笑いながら、俺から離れる。
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