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「あー、佐奈のせいだし。」 「…なんでですか?」 「その前髪退かせば、何にも言われないのに…。」 放課後に愚痴を言いに書道室。 約束通りに俺は大熊から佐奈に呼び方を変えた。 「人見知りだから仕様がないんです。」 「んじゃ、俺にぐらい顔見せてよ。」 「…慣れたら見せる。って言ったじゃないですか。」 「いつ慣れるんだよ。」 「知りません。」 教室の隅でグチグチと言い争いをしている、俺と佐奈。 佐奈は俺以外の男とはこんな風に話すのか…? 「そこぉ、イチャイチャしない。」 俺に随分と慣れた部長をはじめとする部員達。 「「イチャイチャしてない」」 妙にダブった声におかしくて、俺も佐奈も笑った。
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