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22日に遡る。 場所は、体育館。 『明日の終業式を持って、二週間半の休みに入ります。』 「はいはい、寒いから早く帰らせて。」 全校集会で常に野次ってる駿達。 その後ろで笑いながらそれを促しているのが、俺と陸。 何度も汗を拭う教頭。 一番前で一番派手なグループに野次られてるからビビってるんだろう。 『これで終わります。』 話しが終わり、皆が教室に戻る時、俺は一年のところに移動した。 専ら、佐奈を弄りに。 「さーな。」 ビクッと震える佐奈の体。 「なんですか?」 周りをチラチラと伺いながら小さい声で俺に聞く。 「今日こそ、その鬱陶しい前髪を切ってやる。」 目は見えないが、佐奈は俺を睨んでいるようだった。
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