母の再婚

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それは、大学2年の春。 のどかな休日の昼下がり。 母は起きぬけに、私に向かって宣言した。 「お母さん、再婚しまーす!!」 「…」 昔から奔放だった母のことだから、今更驚くこともないんだろうけど、さすがに手に持ったクッキーを取り落とした。 「ほら、2年前から付き合ってた」 「長沢さん、でしょ?」 「そうそう。」 私はクッキーを食べながらパソコンのキーボードを叩く。 今週中に上げなければならないレポートがあるのだ。 鬼のように課題が出ると、噂で聞いていたが、コレはキツイ…。 そういえば、「ナガサワ」って、最近どこかで聞いたような気がしていたが、思い出せなかった。
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