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「長沢さんと、息子さんと、あたしと実紀でお食事会しましょう」
顔合わせってかんじだろうか。
長沢さんに息子がいることは知っていたが、顔を合わせたことはなかった。
確か、もう30すぎだから結婚してるかも知れない。
「いいけど、今週は無理だよ。」
「えぇー」
「課題いっぱい出てんの。」
私はパソコンから目を離さないで言った。
「いいじゃない!!課題の1つや2つ無視したって!!」
母はこの授業の過酷さを知らないのだ。
課題を出さなかったら、翌週、倍にされていくシステムなのだから。
「ママの人生の門出を祝おうって気持ちはないの?!」
わざとらしく泣きまねをしながら、ハンカチをかんだ。
「……いつよ?」
「土曜の夜♪」
結局こうなるんだ。
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