ぞんびと！

アンダーソン軍曹の場合

『アメリカの北部を中心として起きている感染症の対策に政府は―』

『―このように政府は見解を述べており―』

朝からテレビはこんな感じだ、どの局もこの話題で持ちきりとなっていた

『それでは現場の中村さん―』

スタジオから画面が切り替わり、広い道幅いっぱいに広がる人の列が映しだされた

『はい、こちら現場の中村ですご覧の通り道幅いっぱいに人の列が出来上がっています』

中には銃を持って辺りを見回す兵士も映っていた

『えー現在北部で起きている感染症の発生を受けて、多くの市民が検問の前に詰めかけています』

『この検問では、感染者がいるのかどうかという検査が行われていますが個人一人ずつを念入りに検査しているため、いつ終わるのか全く見当がつかないというのが現状です』

「中村さん、そちらの治安状況はどうなっていますか？」

若干老けた女性キャスターが現場のキャスターに向けて質問する

2.3秒間を置いてから現場のキャスターが質問に答える

『はい、えーと今は軍が出動して対応に当たっていますが一向に治安が回復する様子がありません逆に市民に大きな不安を与える結果となった、と言えるでしょう』

「感染症については感染ルートなどは把握できているんでしょうか？」

『えー今のところ分かっているのは、空気感染しないということだけです』

「分かりました、また何か動きなどがあれば報告をお願いします」

初老の男性キャスターが続ける

「えー現在も緊張が続いているアメリカ、今後は予定を大きく変更しこの感染症についてお伝えしていきたいと思います」