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現場に到着した私たちを出迎えたのは、想像以上の光景だった
頭から血を流しパトカーに横たわる警官
血眼になって我先にとバリケードをよじ登る市民
泣き叫ぶ子供
そして
その後ろから迫ってくる人の壁、いや波と言った方がいいのか
その波がゆっくり、しかし確実にこちらに向かっていた
「メディック!(※衛星兵)負傷者に手を貸してやれ、兵長!君は装甲車をバリケードに着けてバリケードが決壊するのをなんとしても防げ」
「了解です軍曹、アレン!他の奴等にここをなんとしても守るように、と伝えろここを突破されたら基地内に市民が押し寄せてどうしようも無くなるからな」
「分かりました、兵長」
そう言って私たちはそれぞれの仕事を始めた
「「それ以上こちらには近づくな、ここから先は立ち入り禁止区域だ、それ以上近づくなら発砲する」」
スピーカーでお決まりのセリフを市民に対して伝えるが一向に事態は収まらない
それどころか、兵士に掴みかかってくる市民もでる始末だ
「何をあんなに興奮してるんでしょうね?」
「そうだな兵長、まるで何かから逃げているようだ」
※衛生兵
戦場で負傷した場合、その手当てや治療を行う兵士のこと
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