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「うぁぁっ!」
「うぉ!」
もう本当にすごい良いタイミングで開いたドアに驚きを隠せなかった。
篠村は空気を読むいい子だがこんな所まで読まなくてもいい。
ついでに津崎が驚いたのは十中八九、俺の声のせいだろう。
「なんか、賑やかだな」
入って来た転校生を見て田村がヒュウッと口笛を吹く。
津崎も隣で驚いたような顔をしていた。
無理もない。
入って来たのはこのお坊ちゃま学校には不釣り合いな――超チャラ男な不良だったからだ!
「え、何々オレなんか変?」
とっても変だよ!
とは言えない怖くて。
ピアス付けすぎてもはやそれは耳に鎧を付けてるみたいだとか髪赤くて目つきキツイだとか色々話すネタはあるけどとりあえず全部無視!
「――よ、よろしく転校生」
こんなによろしくしたくない気持ちは始めてだけど。
理事長もなんでこんな不良をこの学校に入れたんだ。
「あ、お前それVi-anの新作?
俺も今日付けてんの。
あと、俺の名前は久賀裕也な」
クン、と俺に近づいて匂いを嗅ぐと、ニッコリと笑って人懐こそうに言う。
な、なんだいい奴じゃないか。
それか、やっぱり俺の魅力の成せる技なんだろうか。
となりで津崎が何故か鼻を抑えてるが津崎には良くあることなのでとりあえずスルーした。
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