229人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、良くみるとこの転校生、かなりのイケメンである。
これは田村には厳しい現実が待ち受けているだろう。
田村は今、俺のおこぼれを受けている。
俺がダメなら田村に行くか、みたいな扱いで校内色男ランキングにランクインしている。
しかしこのイケメン転校生が来たら、俺がダメなら久賀になり……自動的に田村は校内色男ランキングから落ちる。
色男ランキングにも入らない奴は可哀相だが地道に恋人を作るしかない。
本当に厳しいこの現実。
「じゃ、俺は理事長のトコ行きてぇから……カイチョ、連れて行ってくんね?」
「え?」
なんでわざわざ。
理事長室はこの生徒会室の隣にある階段を使えばすぐなはずだ。
知らないのか、と思うも久賀の右手にある校内パンフには校内の様子がわかりやすく書いてある。
正直、生徒会室から出るのは非常にめんどくさい。
そのため、行き方軽く説明し向かわせることにした。
「あ、この近くの階段使って上がればすぐだから、迷うことはないから心配するなよ」
だが……ここで、津崎の瞳が光る。
普段温厚で優しげな瞳が鋭く細められる。
この瞬間において津崎は可愛い系から綺麗系へと変貌するが、綺麗系津崎は……――怖い。ので、
「……でもやっぱ心配だろうから着いて行くよ」
安全確保!
最初のコメントを投稿しよう!