序章

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やあ、お久しぶり。 オレはユウこと、河口悠一(かわぐちゆういち)。 時間に余裕ができたので、オレが体験した異世界フォルトゥーナでの出来事を、また話そうと思う。 オレが異世界に行った経緯や、初めての仕事を達成するまでのエピソードは「マジック&ソード 第一話」を読んで欲しい。 ページ数は147頁なので、出来れば頑張って読んでもらいたい。 さて早速だが、前回の続きから話を始めるとしよう。 ヌース村から王都へ向かう街道を、4名の人物が馬に乗ってのんびりと進んでいる所からだ。 一人目は、この物語の主人公である17才の少年アーサー・ケイロス。 えっ?、主人公はオレと違うんかって?、まぁ、普通はそうなんやけど・・・ フォルトゥーナで召喚魔法を暴走させたヤロウの所為で、オレは魂だけが異世界に引き寄せられちまった。 エルペトという神様の説明では、体を持たないオレが異世界で存在し続ける為に、アーサーに宿る必要があるらしい。 なのでダブル主人公の位置づけに彼を置いてるっちゅー訳。 話を戻そう。 彼は筋肉質で引き締まった体付きをしているが、今はマントで隠されており、馬上で見せる手綱捌きも、まだ拙い。 くすんだ金髪に意志の強そうな瞳は碧眼。 すっきりした目鼻立ちは、本来いい面構えに見えるんだが、慣れない馬上の所為で、強張った表情が張り付いている。
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