13人が本棚に入れています
本棚に追加
今、オレ達はヌース村から二つ目の休憩ポイントで野営をしている。
王都までの行程を考えると、まだ1/6くらいの場所になる。
辺りは夕刻を過ぎた頃から急速に薄暗くなり、現在は殆ど景色が見えないくらい闇が覆っていた。
しかしオレ達の周りだけは、白い光の輝きで覆われている。
この灯りの源は、アーサーが持っていたショートソードの柄(つか)の部分。
アーサーがショートソードを地面に突き刺して固定させると、その柄の部分にメルヴィナが光の魔法を掛けたのだ。
彼女が精神を集中し、持っていたロッドで、ショーソードの柄に触れる。そして
「ライト」
彼女が魔法を唱えると、柄の部分が白く輝きだし、半径10m近くを魔法の灯りで満たした。
この魔法は10時間以上はもつらしいので、夜中に消えてしまう事はない。
食事や暖をとるための火も「ティンダー」という魔法を使って熾(おこ)していた。
魔法って案外、便利なものだ。文明の利器が発達していないのも仕方ないのかもしれない。
とはいえ、ルーンマスターは絶対的に数が少ない。
そう考えると、このメンバーの中にルーンマスターが二人もいるのは、ちょっとした事なのではないかと思う。
しかも攻撃魔法と回復魔法でバランスもいい。
この4人がパーティを組めれば活躍の場が広がりそうだが、こちらはテンプル・ガードで、あちらはギルドのハンター。
同じ仕事でも受けない限り、残念だが行動を共にする機会は無いのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!