序章

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オレがそんな事を思っていると、ダリウスがアーサーに声を掛けてきた。 「お前達、・・・、何をするんだ?」 何をするんだ?って言われても、何を訊きたいのか分からない。 オレがダリウスの様子を伺っても、特になんの含みもなさそうに炎を見ている。 アーサーは当然ダリウスの訊きたい事が分かるハズもなく「???」となりながらがらエステルの方を見やる。 すると、エステルも首を傾げながらアーサーを見返していた。 仕方がないのでメルヴィナの様子を伺うと 「何をするんだ?って言われても、分かんないよね」 少し苦笑を浮かべていた。 「ダリウスが尋ねたかったのは、テンプル・ガードとして王都に着いたら何をする事になってるのか?って事だと思う」 ダリウスは「当然だ」と云わんばかりにアーサーの瞳を見つめた。 あの「・・・」に、これ程の内容が隠されていたってのか?、オレが呆れていると 「ダリウスって大雑把だから・・・」 (大雑把にも、程があんだろ?) 思わず漏らしたオレの呟きに、アーサーも「全く」と呟いた。 それにしても、ヌース村の酒場兼ギルドで一週間近くダベッていたのに、気が付かなかった・・・ 思い返してみれば、ダリウスはアーサーからの問いかけに相槌や短い返事を返していただけで、向こうからの質問は主にメルヴィナがしてたっけ。
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