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一瞬で顔が赤くなるのがわかった。
可愛いとか初めて思ったかもしれない。
そのせいかな、僕は彼女の顔を見て恥ずかしくなってしまったのかもしれない。
けど、顔を反らせない。
彼女から目が離せない。
「木下 香織です。えっと…」
彼女はたどたどしく自己紹介を始めた。
けれどその内容がまったく頭に入ってこない。
僕の頭の中は今感じている意味不明な気持ちに支配されていた。
けど、そんな中でも彼女の名前と声の可愛らしさは妙に印象的だった。
「おい、おい優斗っ、次自己紹介お前だぞ。」
「えっ、??」
気づけば出席番号順に進んでいた自己紹介は気付けば僕の番まで着ていた。
「ほら、早くしろ。終わらないぞ。」
「は、はいっ。」
「きゃっ!!」
急に勢いよく立ったもんだから椅子が後ろに弾け、その椅子はそのまま後ろの席の子の机にぶつかった。
「ご、ごめん…」
「もう、テンパり過ぎだよ。」
「なんだ優斗、香織に見とれてたのか?」
水谷はイヤらしくニヤニヤしている。
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