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『稜一(リョウイチ)起きた?』
騒がしかったのか稜一が起きてきた。
『おはよう』
いつも以上に微笑ましく母が言う。
『おはよう』
ボソリと稜一は無愛想に返した。
そして気にしつつも気にしていないという仕草と表情で稜一は隅に座った。
『私、ナツカ。1週間お世話になるからよろしくね!』
ナツカはすぐさま、稜一に近寄り挨拶をする。
かわいらしい笑顔と一緒に。
『うん』
稜一はナツカの顔も見ずに一言頷く。
『もっと愛想よくしなさいよ』
私が稜一を叩く。
稜一は一瞬、私を睨みすぐに目線を外した。
『ナツカいくつだっけ?』
私は気にせずナツカに話しかける。
『18だけど…』
『学年は?』
『3年』
『なら稜一と同い年じゃない』
話も合うだろうし、仲良くしてくれればいいと思いつつ、稜一に会うのも久しぶりだと感じていた。
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