俺様生徒会長と鈍感生徒

プロローグ

暫く暗い廊下を歩いていると、何処からか微かに誰かの歌声が聞こえてきた。

「……？まだ誰か残ってるのか？」

耳に神経を集中させると、その声は屋上からきこえてくるらしかった。

下校時間を過ぎている事を知らせるべく、屋上に続く階段の方に向きを正した。

……自分がその歌に惹かれていることを、まだ気付かずに。