第1章 「穢れた英雄」 

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それは、彼女が不意に口にした妙な質問だった。 どこか寂しげな神社の境内は夕陽に照らされ、彼女の巫女装束を橙に染め上げる。 彼女は大きな目は吸い込むように黒い色をしていた。 小さな頃からあまり変化の無い幼い顔立ちは、何故かそれを至極不思議そうに語った。 村の人ならば百人中百人同じ答えを口にするであろうその質問。 ーー俺はやはり百人の模範解答を出す。
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