最期の時間

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◇ 「あ、亜依ちゃん」 準備中となっていたamberのドアを押したら、いつものように、カランカランと鳴った。 同時にたっさんが、小太りの身体をゆっさゆっさ揺らしながら、私に駆け寄ってきた。 「たっさん。ごめん、準備中?」 「大丈夫よん。なんかあったのー?」 「あの、ナオって最近、来てますか?」 「ナオ?ああ。んーと、金曜日の夜に顔出してたよ」 その一言に安心した。 「本当? 実家帰るとか、何か変わったこと言ってました?」 「ううん。何も言ってないよ。明日も仕事だーって嘆いてた。少し風邪気味とか言ってたけど。後は、普通だったよ」
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