最期の時間

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病棟の廊下を歩いて行く。 ガラガラと点滴を押し歩いてる患者さんとすれ違った。 大丈夫。ここの病棟には、歩いたりできる人がいるんだ。 そう言いきかせた。 しばらくして、〝廣田尚憲〟という彼の名前を見つけた。 今、どんな状態なんだろう。また、悪い予感が頭をかすめる。 棺の中に居た、春矢の顔を思い出してしまったから。 もう、居なくならないでよ。 まだ、こっちに居てよって。 今、強く、願った。
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