最期の時間
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ぎゅっと握られて、私も握り返す。 「あれ? 亜依ちゃん?」 ナオは、瞼の隙間から、私を見上げた。 「はい。前富亜依です」 「夢?」 「夢です。夢の亜依ちゃんです」 そう言うと、クククと笑った。 「僕の夢だから、自由にしていいの?」 「私の夢だから、自由にしないで下さい」 「そっか。亜依ちゃんの夢だったか。人の夢に潜入したんだね」 微笑んで、天井を見上げた。
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