携帯電話

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ケータイをぼくに返して、ばあちゃんは 言った。 「やっぱり、孝志の言う通り、泣いてまった」 頭をぽんぽんと撫でながら目を拭うばあちゃん。 でも全然悲しそうやない。 「どうして?」 「そうやなあ…孝志にはまだ難しいかも知れん」 「なに?教えて!」 そんなこと言われたら余計知りたくなるやんか! 頭に置かれた手から離れてばあちゃんの前で通せんぼをしてやると、ばあちゃんは吹き出してから、ゆっくりと泣いた理由を話してくれた。
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