つき

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その人は、満月がとても大きく金色に見える夜に私の目の前に現れた。 まるで月をしもべにしたみたいに、背中に金色の光をきらきらと背負って。 言った。 「君のつき、僕にくださいな」 はたはたなびく片袖と宙に浮いた体が余りにも印象的過ぎて、それ以外は何も覚えていないのが正直なところだ。 そんな衝撃的な出会いから、今日で三日。
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