ある日

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「今日はここで何を」 「お宅こそ…」 「いや、お互いたぶん同じ理由でしょ?」 「…ま、確かにそうですな…」 「今や、ここがオアシスのようなものだから…でしょ?あなたも」 「あ、いや、まあ、確かに。でも私たちだけじゃなさそうだ。」 「最近増えましたよね…私たちとたぶん相通じるのかな?」 「家にいるよりはましかも。家って私らなんかいづらい空間だし…空気だし、気づいてくれないし…もはやゴミ。」 「ほほっ…ゴミね~確かにわかるな~いづらいよね…私なんかお父さんいたの。だもの、ご飯は?って聞いたら、罰が悪そうな顔していけな~い忘れてた…だって普通に言うからねさらっと」 「ありゃ~でも同じですわ同じ。辛いっすね~わかりますよ。こんなんじゃ家に居づらい。いたら逆にストレスだ。 「だからここにいる。ここが私の唯一の私が存在できる場所。生きていると感じられる場所」 「そんなに長い時間居られないけどこの時間がたまらない。」 「そうそう。まさに至福の時。誰にも邪魔されず思うがままに出来る。存在も確認できる」 「しかし、至福の時って限られた時間だから至福の時なんだと思うな~当たり前にあるとそれはそれで有り難みはないのかもしれない」 「お宅も哲学的なこと言いますな~しかし、何も考えずにただぼーっとここで過ごす、癒しだな~」 「あ、そろそろ時間だ、やだなまた現実へ舞い戻りか…」 「そうですね~やだやだ…ま、明日も何とか頑張りますか」 「そうですね~」
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