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翌朝、俺は眠い目を擦りながら通学路をダラダラと歩いていた。
朝食はいつも抜いていた。中学生の時からだ。
食べていくといつも謎の腹痛に襲われるからな。
桜並木のとこまで来ると明石が昨日と同じところで桜を眺めていた。
朝だし挨拶くらいしようかと明石に近づく。
「あっ、明石君おはよう」
先手を討たれた。
言い方があれだがな。
俺から挨拶しようとしたが明石はそれより早く俺に挨拶をしてきた。
「あ、おはよう明石」
「同じ名字だよね?」
「そうだな、同じ明石だ」
「自分の名字言ってるのってなんか不思議よね?」
そうとは思わなかったが一応同意しとく。
「あぁ、そうだな」
「じゃね、また教室で」
手を振り、彼女は昇降口へ駆けていった。
綺麗な黒髪のポニーテールを揺らしながら。
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