逃げたい心

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「に、似たような案件?わからないなぁ」 「僕はわからないよ。ウチじゃなくてコンシステムの○○さんなら知ってるかも……」 「え?まだできてないの?プロジェクト潰すつもりか?」 家に帰っても頭を過ぎるのは仕事のばかりだった。 「あぁぁぁぁ……あほくせぇ。だいたい、こんな事を新人やらせるなよ」 愚痴が自然とこぼれる。 酒が入るにつれ増えるのは愚痴に空の缶ビール。 「俺は階段を徐々に上っていきたいの。いっこ飛ばしぐらいならいいけど、完全に壁しかないんすけど!」 缶ビールを一気に飲み干し、テーブルに叩くように置いた。 「だいたい、あの原田の若ハゲオヤジが話をややこしくしてんのに……うぜぇうぜぇ……ん?」 普段、頭の中だけに留めている事をこれでもかと吐き出した。独り言なのがまたすごい。しかし、どうやらアルコールが無くなったようだ。 「辞めてぇ……逃げてぇ……」 ベッドに横たわり天井を見上げて、呟くのは現実逃避の言葉だけ。 「足りねぇわ」 寝るのかと思いきや、まだアルコールが足りないのか、財布と携帯を手に取り近くのコンビニに向かい始めた。
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