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心臓が止まるかと思った。内臓が飛び出るかと思った。顎が外れるかと思った。
原田さんが何故ここに?ってか、なんで悪口知ってんだよ。
「新人がいい度胸してるよね~。仕事だるいんでしょ?今のプロジェクト……あ、俺がちんたらしてるもんね?」
開いた口が塞がらないとはこの事だ。俺のさっき愚痴ってたことを、原田さんは全て知っていた。
「何か言えよ!!仕事辞めんなら、さっさと辞めろよ!!ってか……」
暗い夜道に叫ぶ声が響き渡る。そして、俺に真の恐怖が襲いかかる。
「辞めるより死んだ方がましだよね~!!!」
ま、まじかよ!!!?
懐から取り出したのは、紛れもない。
包丁。
嘘だろ……嘘だ……
「殺しますね~」
ろぉぉぉあぁぁぁ!!!
満面の笑みでこっちに走ってくる原田さん。勿論手には包丁。
俺は抜けそうな腰に踏ん張りを利かせ、一目散に逃げる。
「逃げんなよ!!」
笑顔の中にはっきりと怒が見える。
『緊急ミッション。緊急ミッション』
その時、誰かの声が聞こえた。
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