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「まぁぁぁてぇぇぇ!!!」
時が再び進み出した。後ろから包丁を手に原田さんが迫ってくる。
逃げる体勢で、時が止まったのだ。俺も勢いのまま走り出す。
夢でも現実でも、死ぬのは御免だ。
「逃げんなよぉぉ!!この野郎!」
俺は走った。マジで走った。この走りなら世界陸上でれんじゃねぇかってぐらいマジだった。
ハァ……ハァ……こんなに俺のマンション遠かったか?
100mぐらい走って、限界がきた。後ろを向くと、原田さんとの距離はかなり着いていた。
ハァ……ハァ……馬鹿にすんじゃねぇよ……中年に足で負ける程、俺は劣ってねぇわ。
俺は足を止め、一息入れようとした。
『おいおい、ダメ男くん。私の話を聞いていなかったのかな?』
また、あの声が頭の中に響いた。
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