社会不適応な男

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「……はぁ」 深い深い溜め息をついた男は、缶コーヒーを飲みながらパソコンの画面とにらみ合っていた。 英語やら数字やら、素人目では意味不明な画面。そう、彼はプログラマーである。 入社をしてまだ1年満たない。しかしながら、彼はできる、できないで言えば確実に出来る男だった。 先輩達にも気に入れられる可愛い後輩だった。 期待の表れは仕事の表れ。次々に様々な仕事が彼に託されていった。 「はい。シンソフトの古原です」 デスクの電話がなった。4人兼用の電話だが下っ端の古原が取るのが常だった。
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