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こんな楽な仕事で月に20万なんて、いい仕事に就いたものだ。
初めはそう思っていた。
しかしながら、古原にとっては実際腹立たしい事の連続だった。
古原は基本真面目な男だ。期日も守るし、ほうれんそうも欠かさない。
しかし、古原の頭通りに物事は進まないのだ。
古原の仕事は依頼主がOKを出して、初めてメールが作成される。
いくら古原が早く仕事をしても、承認が得られなければ古原の仕事は頓挫してしまう。
メールでの期日までの催促。電話での催促。日常茶飯事だった。依頼主の株式会社ベルスは超一流企業だ。社員も多忙を極める。
ベルスの下請けであるのだから、いや、社会人としてこれぐらいは当然の事なのだ。
しかし、古原にとっては苦痛の種筆頭であった。
自分の力で解決できない。我慢はしているものの、不満だけは募っていった。
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