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「そんなに年上の男がいいんですか?……年下だから、俺はダメなんですか?……金子さんから訊きました。元彼の話……。それだけで、俺を見て年下が嫌いなんて一言ですまさないで下さい」
「ちょっと……。広重、ここはマズいよ」
「俺、千花さんと噂になったっていいです」
「私が嫌なんだよ。なんでいつも強引なの?」
「だって。どうしていいか分かんないんだ」
「……え?」
「どうしても千花さんが欲しいのに、頑張っても俺を見てくれないでしょ?こんなこと初めてで、どうしていいか分かんない。余裕なんかない」
「……お願い。一回離して」
「こんなに好きにさせといて。ズルいんですよ」
急に近づいてきた顔を避けるとバランスを崩して私だけ尻餅を着いてしまった。
「千花さん、大丈夫ですか?」と広重はしゃがんだ。
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