誘われない花見

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彼とは同じプロジェクトだが、チームは違う。 入社二年目だからか、若いねって感じでたまにこうやって話す程度。 「今から昼飯ですか?」 「うん」 「一緒に行きましょうよ」 「いいけど」 「さっき田原さん、昼誘ったら今日は弁当とか言われて断られちゃって」 「そう」 広重は田原さんと仲がいい。 たぶん、彼の人懐っこい性格のせいか、可愛がられてるみたい。 だから、たぶん。 田原さんが結婚することも、私が知る前から知っていたのだと思う。 私なんて、さっきフロアでお祝いの言葉をかけられている姿を見て初めて知ったというのに。 田原さんとは仕事以外の話もするし、冗談だって言い合える。 だけど、彼のプライベートのそんな深いところまでは知らなかった。 だから、私から訊かれるまで言うつもりもなかったのかもしれない。
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