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「えっ?そうなんですか?知らなかったです」
咄嗟に嘘をついたけど、信じて貰えるわけがないかもしれない。
「ここの近くに友達の家があって、迷ってたんですよ。すみません。では」と頭を下げて足早に逃げた。
傘を返しに来ただけなのに、なんで私がこんなに気を遣わなきゃいけないんだと帰りのタクシーの中で思った。
結局、傘だって返せなかったし。
でも、やっぱり思ってしまう。
女の影がある男とは関わりたくないし、噂になるのも嫌だと。
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