そこにキス

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それは、気遣って話しかけてくれていた田原さんが休みだから感じてしまうことなんだと思う。 田原さんが不在の今日は、仕事以外の会話をしなかった。 だけど、思い出す。 広重が、何度も「お昼を食べましょう」、「呑みに行きませんか?」と誘ってくれた。 ことあるごとに断っても、また声をかけてくれた。 「千花さん、好きです」と冗談みたいに言ってきた。 それを聞き流しても、毎日のように話しかけてきた。 仕事の話よりくだらない話ばかりしてた。 もしかして。 広重だって私に居場所を作ってくれた。そういう存在だったのかもしれない。 広重と話さないことで、今さらそんなことに気がついた。
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