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湊side
ザシュッ
僕は手にした剣でシャドウを切り裂いた、もう何回も聞いた音をたててシャドウが消えていく
シャドウ……黒い体に仮面が付いた者
僕はもう何体倒しただろう
「クソッ…シャドウ多すぎんだろ」
仲間の一人、伊織順平が呟く
僕は腰のホルスターに収めている銃を抜き、自らの頭に向け…引き金を引いた
ドンッ
発砲音と共にペルソナ…オルフェウスが出現し、手にした竪琴を鳴らす
オルフェウスが竪琴を鳴らし終えたと同時に、半透明の白い球体の様なモノが幾つか現れ、爆発を起こしていく…無属性魔法[メギド]だ
メギドを放ち終えたオルフェウスは消え、シャドウも全滅していた
「ふぅ~やっと終わったか~」
「何だ伊織、もうバテタのか?」
一息ついた順平に美鶴先輩が一声かける
「そりゃあんだけ戦いやバテますって」
「そうだな、流石に私も疲れたよ」
「美鶴先輩、そろそろ帰りませんか?影時間も終わる頃ですし」
僕は美鶴先輩に同意を求めた
「ではそろそろ帰るとしょう、君はそうでもなさそうだが…私と伊織は限界だ」
同意が得られた所で、僕らはこの影時間の中でしか現れない塔…タルタロスから抜け出した
影時間は毎晩0時0分に訪れる、ペルソナを使える者しか入れない時間だ
尚且つ、影時間から戻ると時は進んでいないが、影時間に起こった事はそのまま残る
「しっかし影時間で見る月は不気味っすね」
「確かに不気味だが、実害があるわけでも無いだろう?」
「確かにそうっすけど…」
歩きながらふと月を見上げる、影時間の中での月は黄緑色をしていて確かに不気味だ………
「…………ハッ!?」
「どうした湊!?」
「何かあったか!?」
「あっいえ……何でもないです」
二人が心配してくれているが、適当に流す
「ビックリさせんなよな~」
「そうか、何かあったら構わず言ってくれ」
一瞬だったが…月が黒くなり、更に空が赤くなったように見えた・・・
気のせい……だよな
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