予兆

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さて、今日は何処にも寄らずに寮に帰ろう……そう思って校門を出ようとした時 ピピピピ 僕の携帯に電話がかかってきた 誰だろうと画面を確認する 「エリザベスか……」 エリザベスとは、影時間とはまた違った特殊な空間[ベルベットルーム]という場所にいる女性だ ベルベットルームは主にペルソナを作り出す事のできる場所で、イゴールという鼻の長いお爺さんもいる ピッ 「もしもし」 何はともあれ、向こうから連絡してくるということは何か用事があるのだろう 面倒な事ではないと良いなと思いつつ電話にでる 『毎度お馴染みエリザベスでございます、今宵は満月でございますね』 「知ってる」 『満月の日故に大変だとは思いますが、ベルベットルームへお越し頂きたく存じあげます』 こうして会話すると、エリザベスはいつも変に丁寧な口調だなと改めて思う 「わかった」 『ではお待ちしております』 ピッ ツーツーツー 一方的にきれた携帯をしまい、面倒ながらも商店街に向かって歩き出す ベルベットルームへの入口は何故か商店街にある、正直な話寮に作ってくれても良いと思う
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