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カナエの家は、学校を挟んでうちとは反対方向にある。
当然、私達と同じ電車に乗るには、相当な早起きが必要だけど、
…彼氏の手柄のために早起きしようという気合いはないのか?。
「なにもうちに泊まらなくたって、どうせ端本さんも近場に泊まるんでしょ?。彼氏なんだからそっちに合流すりゃいいじゃん。」
ノゾミと別れ、うちへの帰り道をぴったりと歩くカナエにちょっと羨ましそうな素振りで言うと、
「うん。一緒にいたいのはヤマヤマなんだけど、公園に私を寝泊まりさせるわけにはいかないって。」
…彼氏が優しいの、とでもいうような顔つきで言ってますけど、つまりあんたの彼氏は公園野宿するわけかい…。
私はカナエの背中で揺れている寝袋を眺めて、諦めることにしたのだ。
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