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夕食を振る舞い、いつもはラジオ代わりのテレビをカナエと一緒に笑いながら見た。
いつものことながら、正社員でバリバリ活躍している母の帰りは遅い。
女二人の生活は、ほとんど独り暮らしのようだったけど、女手一つでこんなにいい娘を育てたんだから、母ってスゴイ!。
…なんて、関心してしまうくらい、私は母が好きなのだ。
どんなに遅く帰ってきてもしっかり食べてくれる、母のための夕飯をテーブルにセットした。
ノートの今日のページを開き、
「友達が泊まりに来てるよ。前に話した、ワイドショー好きのカナエだよ。」
と書いてムーミンのペンを挟み、テーブルに添える。
「そのノートなに~?」
「これ?。母さんとの連絡帳」
「マジで~(笑)」
お風呂上がりのカナエは、今どき信じられない、という顔で笑いながらツッコんだ。
狭い部屋に布団(寝袋だけど)を並べると、修学旅行のようで、それなりに楽しい。
しかし一通りクラスの噂話が終わって、カナエがぐっすり寝てしまうと…
ため息と共に、明日の作戦が重くのし掛かった。
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