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魁童の暴れた力。
これを抑えるのが先だと言うことがわかっているから。
祢々斬は「ちっ」と舌打ちしながら先程の無月を思い出す。
無月は魁童の力の暴走よりも、まず先に魁童の体の安否を気にした。
だからこそ、無謀にも力の暴走を起こしている魁童にずかずかと近づいた。
躊躇えば躊躇うほど、傷は深く、たくさんに増える。
踏み込んで踏み込んで無月は魁童の体を見て安心し、直ぐ様魁童の力があまり当たらない場所に退いた。
そしてふらついた無月に祢々斬が駆け寄り、その肩を支えると、無月は祢々斬の顔を見て安堵の笑みを浮かべた。
無月
「…大丈夫、魁童の体の方に傷はない」
と、心底安心した声音でそう告げた。
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