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それは出来の悪い子どもを見るような顔だった。
言ってはいないが「仕方がないな」と言う顔。
案の定、竜尊は祢々斬の頭をぽんぽん、と軽く撫でた。
竜尊
「で、祢々斬はなんだ?馬鹿正直に魁童の術を受けたのか?無月も中々な怪我してたしな。……やれやれな子ばっかりだな」
ははは、と竜尊は楽しげに、しかもまるで他人事のように笑った。
勿論、祢々斬がむっとしない訳がない。
ぱしっ、と竜尊の手を叩いて祢々斬はきっ、と竜尊を睨みあげた。
祢々斬
「そんなこと言ってる場合かっ!魁童、魁童が大変なんだぞ。悠長なこと言ってる場合かっ!」
竜尊
「うん、言ってる場合じゃないな。結構面倒そうだ」
噛みついてくるように言う祢々斬に浅く笑った後、今ある問題を肯定して、竜尊は魁童をにっこりと笑いながら見た。
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