35人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
いら、としたがここで一方的に怒って怒鳴っても二人の思うツボだ。
竜尊はぐっ、と沸き上がるその気持ちをぐっと抑えて、一度大きく息を吐いた。
そして自身を落ち着かせるために深呼吸をする。
竜尊
「……ここはな、石榴の祠だ」
玖々廼馳
「はい、知ってますよ?」
竜尊
「つまり俺の聖域なわけだな?」
夢
「うん、そうだね」
竜尊
「……じゃあ俺がここに居ても不思議はないわけだ」
夢・玖々廼馳
『あ』
きょとんとした顔で二人はそう声をもらした。
そっかそっか、と互いに頷いている玖々廼馳と夢だが、竜尊は知っている。
――わざと、だな。
そう、わざとだ。
なんて白々しいんだろう、と竜尊は呆れて頭を掻いた。
最初のコメントを投稿しよう!