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しっしっ、と手で軽く払う竜尊に、流石にこれ以上意地悪をする気はないのか「あはは」と夢が楽しげに笑い、玖々廼馳はくすくす、と小さく笑った。
夢が「じゃあまたね」と犬に笑いかけ、優しく頭を撫でてやると犬は嬉しそうに夢に擦りより、そして夢に従ってくるりと背を向けて走り去っていった。
夢
「いやあ…のんびりだねぇ」
うん、のんびりだ、と犬に手を振る玖々廼馳を見ながらしみじみと夢はそう言った。
にこにこと笑いながら竜尊の横にちょこん、と腰を降ろす。
竜尊は夢に苦笑して見せると「そうだな」と同意して頷いた。
竜尊
「うん、確かにのんびりだ。まさか千年生きた俺が小さな鬼やこんな幼い娘にいいゆうにからかわれるなんてな」
夢
「やっぱり長生きはするもんだよ、竜尊」
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