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竜尊
「はは、口が減らないな、お前は」
夢の一言に笑いながら、竜尊はくしゃくしゃ、と夢の頭を撫でてやる。
乱暴な手つきなのだが、夢は「あはは」と楽しそうに撫でられる。
玖々廼馳
「お姉ちゃん、わんこさん帰りまし……あ、竜ちゃんずるいです」
それまで犬に手を振っていた玖々廼馳が、くるりと振り向き、竜尊と夢を見るや否や、むっ、と頬を膨らませた。
つかつかと竜尊と夢に歩みより、二人の目の前で腰に手を当てて露骨に怒りを露にしていた。
夢
(……本人は真剣なんだろうけど)
竜尊
(怒り方がやたら)
夢
「怒るよね?」
竜尊
「怒るだろうな」
互いに何も言ってないのに、しかし何かが伝わって、結果、同じ結論の先にある感想を二人は述べた。
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