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「そうか。でも彼女45分しか取ってないんだな。じゃあ今日15分多く取らせよう。休憩60分に直しといて。それでエラー消えるでしょ?」
「はい。じゃあ60分に修正しておきます」
私は答えた。
「お願いしまーす。」
滝沢はそう言って売場に戻っていった。私は言われた通り休憩時間の変更を入力すると席に戻ってなりはじめた電話に出た。
ほかの電話も鳴りはじめた。はじめの電話を家電売場につなぐとすぐに次の電話に出た。
「大変お待たせ致しました……」
そう言いかかったところですぐに相手が話し始めた。
「本部の斎藤です。池田くんいる?」
「少々お待ちいただけますか?」
私は商品管理の内線を呼び出してコールした。3回目のコールで出なかったので折り返しにしようと内線を切ろうとしたところで池田が電話に出た。
「池田です。」
息が上がった様子でそう言った。
「本部の斎藤さんからお電話です。」
私は言った。ふぅというようなほんの短い一瞬の゙ため″があったあと
「つないで。」
と池田はぶっきらぼうに言った。
「お願いします。」
私はそう言って電話をつないだ。
(つないでください、でしょ……まったく。)
そう思いながらまた鳴りはじめた次の電話に出た。
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